

感染症というと風邪やインフルエンザ、コロナウイルス感染症など《人から人へ、病原体が感染することによって起こる病気》を思い浮かべる方が多いと思います。病原体やその感染経路も様々で、衛生状態や栄養状態が良くなっている現代においても依然として身近な病気であることは皆さんも実感されていると思います。
感染症の中には風邪のような急性のものだけでなく、慢性化して体内に潜伏した後に症状が出るもの、慢性炎症を起こすものなどがあります。その中には発がんのリスクを伴うものも含まれています。前回までみてきた喫煙や飲酒の他にも、感染が発がんに関わるものもあります。
がんの原因は図①を見ると感染は女性では1位、男性では喫煙に次いで2位を占めています。感染症とがんは結びつきにくいようですが、世界的にみても、がんの3割は感染によるものだとされています。国立がん研究センターで発表された上位5位までの「主な部位別予測がん罹患数」(表①)を見るとこの中の肝臓がん・胃がん・子宮がんは感染による発がんが原因と言われています。それぞれ見ていきましょう。(表②)
●B型・C型肝炎ウイルス
感染経路は、血液や性的接触、母子感染(出産時)などが考えられていますが、母子感染に関しては近年その対策がとられているので防ぐことができるようになってきました。しかし、最近は若年層の注射の回し
打ちや入れ墨、ピアスなどの針による感染も問題視されています。将来の肝臓がんリスクを高めてしまうことも考えなくてはなりませんね。
●ヘリコバクターピロリ菌
胃がんの発生原因として位置づけられています。この細菌に感染すると5倍のリスクがあるそうですが、日本の高齢者の多くがこの菌を持っているにもかかわらず胃がんになる人は一部です。従って、感染の有無だけでなく様々な生活習慣の影響も大きいことがわかります。近年、治療によりピロリ菌を除去することもできますが、多くの研究を解析すると確定的ではない点や副作用などの側面の検討も必要だとする報告もあります。
●ヒトパピロ―マウイルス(HPV)
子宮頸がんの原因になると言われているウイルスで多くの種類があります。性交渉により感染することが知られていて、感染してもほとんどの場合自然に消滅してしまいますが、感染を繰り返すあるいは感染が長期にわたると子宮頸がんになる可能性があります。また、喫煙はHPV感染リスクを高める、子宮頸部の免疫を弱めるなどいくつかの発がんリスクを高めることがわかっています。女性の喫煙はここにも影響がありますね。現在、ワクチンも接種可能にはなっていますが、副反応の発生頻度などが明らかになり適切な情報提供ができるまでは定期接種をすすめることは差し控えられています。ワクチン接種について深く知りたい方は厚生労働省のリーフレットなどでよく確認してください。
次回は食生活を中心とした生活習慣に焦点を当ててがん予防を見ていきます。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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