健康な身体を維持するためには多くの栄養素が必要です。中でもミネラルは体重のわずか4%程度を占めるにすぎませんがビタミンとともに多くの働きを担っています。ミネラル中の一つ「マグネシウム」は、人体の中に約25g 存在し、骨や筋肉、脳、神経や血中など全ての細胞に広く分布しています。
具体的にはどのような働きをしているのでしょうか。
骨の健康
骨や歯にカルシウムを行き渡らせ調節し、丈夫な骨の形成を助けます。実はマグネシウムとカルシウムはブラザーイオンといわれるほど重要な関係にあり、その割合は1:2または1:1が理想的かつ重要だそうです。(図①)マグネシウムは、骨の弾性や密度を保つ働きがあり「骨芽細胞」という骨を作る細胞に働きかけ骨の中に入るカルシウムの量を調整しています。骨や歯を丈夫にしたいと思っても、カルシウムだけでは正常な骨や歯はできないのです。
血圧の調節
カルシウムやナトリウムの量が多くなると高血圧に繋がってしまうのですが、マグネシウムは体内のカルシウムやナトリウムの量を調整する働きがあり、動脈を弛緩させて血圧をコントロールしてくれます。そのため「天然のカルシウム拮抗薬」と呼ばれることもあります。また、同時に血流も改善してくれるので、心血管疾患のリスク低減も期待できます。
筋肉の収縮
筋肉はマグネシウムとカルシウムの連携プレーによって動いているのですが、具体的にはマグネシウムは筋肉を弛緩させカルシウムは逆に収縮させます。(図②)この弛緩と収縮をうまくコントロールすることで心臓が規則正しく拍動するのです。また、「こむら返り」の現象は、これもマグネシウム不足でカルシウムの方が多い状態が原因で筋肉の収縮が過剰に起きてしまったということです。
神経伝達と精神の安定
脳や脊髄などの神経系は神経細胞で構成されますが、ここでもマグネシウムはカルシウムとのバランスを調整しています。たとえば、精神障害の原因と考えられている神経細胞の損傷などを防ぎ神経伝達をスムーズにしているのです。グラフ①は環境的ストレスと精神的ストレスを加えた時の尿中に排泄されるカルシウムとマグネシウムの量を計測した結果です。ストレスを与えると排泄量が一気に上がることから、ストレスがかかると体内にも影響が出ることがわかります。マグネシウムをはじめとするミネラルは精神を安定させるホルモン「セロトニン」の合成に不可欠なのです。国内の疫学調査の結果、ミネラルを多く摂取している人はうつ症状の発現が低いことがわかっているので、きちんとした栄養補給でうつ病のリスクも軽減されるかもしれませんね。(グラフ②)
次回も引き続きマグネシウムの効果や現状を踏まえて食生活や摂り方も考えてみたいと思います。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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