近年の健康ブームの影響から生活習慣の見直しや新しい分野への関心など様々な面から健康が考えられ、非常に身近な課題になっています。中でも食生活は毎日の生活においてキーポイントになります。 以前、全粒穀類の記事で、米と同じように大麦の中にも「うるち性」と「もち性」があると書きましたが、今回はそのもち性を持つ「もち麦」を紹介します。
★もち麦の種類
個人的に初めてもち麦を知ったのはもう数十年前になりますが、近年人気上昇中です。近くのスーパーでももち麦製品が何種類も売られています。(写真①)白米に混ぜて炊き込めるものがほとんどですが、他の穀類と一緒に電子レンジで温めてすぐに食べられるような物もあります。市場に流通している大麦製品はアメリカ産が多いようですが、国産では香川県で開発され紫色が特徴の「ダイシモチ」(2000年に品種登録)や、アントシアニンを含まないので加熱調理後も褐変しにくく、白いままで人気の「キラリモチ」(2012年に品種登録)などが流通しています。「もち性」があるため炊飯すると粘りがあり、もちもちして美味しい麦ごはんになりますよ。
★もち麦の調理法
味や香りに慣れない内は、いつもの精白米に混ぜて炊くのがオススメです。大さじ1程度から配分を徐々に増やして調整するとよいでしょう。また、水分の吸収が悪いので必ず30分〜1時間ほど浸水する必要があります。水の量はもち麦の量の2倍を足すのが目安ですが、製品によって若干違いがあるので表示を確認してください。スープやサラダなどに混ぜたり振りかけたりする場合は、20分ほど中火で茹でてストックしておき利用することもできます。食感を楽しみたい時のちょい足しにも便利です。
★日本人の摂取量は減少傾向にある
もち麦に期待できる成分は食物繊維です。厚生労働省の調査では、食物繊維の摂取量はかなり減少傾向にあり、特に穀類からの摂取が減っていることがわかります。(グラフ①)約70年前は摂取量自体も多かったのですが、その半分近くを穀類から摂っていました。いかに穀類離れが進んでいるかわかりますね。食物繊維の、理想の摂取量は20g 位と言われていますので、近年はその量にも足りていないのが現状です。
★もち麦の健康効果
日本食品標準成分表には「もち麦」の表示はないのですが、ある研究からのデータですと大麦の中でも「もち性」のものがかなり優秀であることがわかっています。
中でも水溶性食物繊維が豊富なのが特徴です。(グラフ②)野菜のゴボウを上回る含有量で、その働きは
・腸内細菌のエサになり腸内環境を整える。
・糖質の吸収を抑えて食後血糖値の上昇を抑える。
・脂質の吸収を抑えて余分なコレステロールを排出する。
など健康に直結する働きをします。
また、お腹にとどまる時間が長いので腹持ちがよく食べすぎを防ぐ効果もあります。
水溶性食物繊維にも多々ありますが、その中でももち麦には「β‐グルカン」が多く含まれます。加えて不溶性食物繊維も含んでいるので整腸作用もあり、便秘で悩んでいる方にはおすすめの穀類と言えます。また、1日の朝か昼に摂ることによって次に摂る食事の食欲を抑える他、エネルギーを効率よく消費し、血糖値の上昇を穏やかにする「セカンドミール効果」も認められています。(グラフ③)日常生活に取り入れたくなりますね。
大麦の断面図を見ると胚乳の部分に「β‐グルカン」が多く分布していることから精麦しても健康効果は残ります。(図①)白米と一緒に炊き込めば見た目もあまり変わりませんので、とろろご飯など馴染みのあるメニューから試してみてはいかがでしょうか?
【とろろご飯】
白米2:もち麦1の割合いで炊き込んだご飯にとろろ汁をかけて。ぷちぷち食感と、とろろ汁のまったり感が好相性。青のりがほんのり磯の香りをプラスして食欲をそそります。
【お吸い物に】
わかめのお吸物に茹でた「ダイシモチ」をプラスして。沈んでしまいますが、ほんのりとした紫色が色どりを添え、上品な印象のお吸い物に。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
\#ならでわ 11月号発刊/
— 月刊ならでわ!@長崎県北・佐世保のグルメ情報誌 (@nyan_naradewa) November 1, 2024
表紙は“じげもん”グルメ★佐世保・県北のことがもっと好きになる5品が登場グルメや美容情報・年末に向けたおせち、ハウスメンテナンスなど内容盛りだくさんでお届けします #佐世保スイーツ #佐世保観光 #佐世保おでかけ
詳しくはコチラ➡️https://t.co/Gv6LGNpv6S pic.twitter.com/JpIgo4ZDNj