今年も夏野菜が売り場をにぎわす季節になりました。夏野菜はカラフルでウキウキしますね。その中でも断面が星型で可愛らしいのがオクラです。花はハイビスカスのように美しく優雅ですが、開花後、天に向かって莢が出てくるとグングン成長します。大きくなりすぎると硬くなってしまうため、品種にもよりますが10㎝を超えた頃未熟な柔らかい実を収穫します。(写真①②)
★オクラの生産地
原産地はアフリカ東北部といわれ、世界的にも熱帯から温帯にかけて栽培されています。日本でも鹿児島、高知、沖縄など暖かい地域が主産地になります。(グラフ①)日本へは幕末か明治初期に渡来し、1950年代に栽培が本格化し1970年代に全国的に広まったと言われています。比較的新しい野菜といえますね。
★オクラの健康効果
最近は、赤いオクラや角がない丸いオクラ、八角形のオクラ、2〜3㎝の小さいオクラなど数種類出回っていますが、輪切りにすると5角形になる五角オクラが主流です。オクラの特徴といえば、見た目では想像もつかない切ったり刻んだりすると出てくるネバネバ。このぬめりの正体の一つは食物繊維のペクチンで、胃腸の働きを助けたり血糖値の上昇を抑制したり、コレステロールの調整も期待できるようです。また、ムチレージという多糖類の一種は粘膜を保護する働きに優れ、消化管の健康を助け整腸作用もあると言われています。
鹿児島県産の70%以上の生産量を占める指宿市が地元大学と連携し、オクラの乾燥粉末を使って、オクラの機能性評価検証試験を実施したところ、血糖値の上昇を抑制する効果が高いことが確認され、( グラフ② )また、乾燥粉末を使ったゼリーを摂取した実験では、血圧上昇の抑制が確認されました。(グラフ③)指宿市では、てんとうむしなどの益虫を活用して、殺虫剤などの農薬を削減しているそうです。
★オクラの栄養価
オクラは立派な緑黄色野菜ですので、その面でも豊富な栄養成分を持っています。抗酸化作用に優れたβ―カロテン、代謝を助けるビタミンB群、抗酸化作用をはじめオールマイティに働くビタミンC、骨の成長に欠かせないカルシウム、造血作用に関わる葉酸など、ネバネバ成分とともに暑い夏の健康維持に活用したい食材です。
★オクラを選ぶポイント
オクラを選ぶ際には産毛が密集していて、緑が濃くみずみずしく、
ヘタがしっかりしているものを。五角オクラでしたら五角の稜線がはっきりしたものを選びましょう。温暖を好む野菜ですのであまり長く冷蔵庫に入れておくと傷んでしまいます。新鮮なものは生でも美味しいですが、早めに軽く塩ずりをして産毛をとり、硬めに塩ゆでしてから保存するか、刻んで冷凍するのも良いでしょう。味にクセがないので和、洋、中どんな料理にも利用できます。長崎と同じ九州鹿児島で沢山作られているオクラです。旬の時季を逃さずいろいろな調理に挑戦してみてください。
【夏野菜スープカレー】
肉の代わりに高野豆腐を使いさっぱりと、オクラは欠かせません。
【白和えにオクラをプラス】
粘りが滑らかさと調和して意外と合います。
【オクラ入りおつまみ】
フリーズドライのオクラをカシューナッツのおつまみにプラスして、夏らしいシャキシャキ食感がたまらない美味しさ。思わず買ってしまいました。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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