★前回の振り返り
若々しく健康な血管は柔軟性があってしなやかで、血液を体の隅々まで滞りなく送ってくれます。このような血管の健康を保つには血管の「内皮細胞」から放出される「NO(一酸化窒素)」が重要でした。1998年アメリカの研究者がNOの血管における効果の研究を行い、ノーベル医学・生理学賞を受賞しました。その後の循環器系の薬などにも影響を与えたようです。
(参考)「医学界新聞」2006年以前の記事 医学書院
★血管の健康を守るNOの原料
NOの原料になるのは、アミノ酸の一種であるアルギニンとシトルリンと言われ、この2つの成分は体内で互いに転換・合成を繰り返しその過程でNOが発生するため、2つを同時に摂るのが理想的です。
●アルギニンは肉類、魚、大豆製品など幅広い食材から摂取できるため、タンパク質を摂っていれば不足することはないと言われています。アルギニン含有量の表を見ていただくと、鶏の胸肉や豚肉料理などが効果的ですね。卵や魚はもちろんですが、大豆製品も献立の一品として取り入れる意識をすると良さそうです。(表①)
●シトルリンは、NO産出量を増やし血流を良くする働きの他にも、近年様々な効能がわかってきた「スーパーアミノ酸」と呼ばれている成分で、1930年に日本の研究者がスイカ果汁から発見した成分です。通常のアミノ酸のように肉や魚などのタンパク質には含まれておらず、表を見るとわかりますが、主にウリ科の植物に多く含まれています。夏が旬のスイカやニガウリ(ゴーヤ)、キュウリは血管の健康にピッタリな食材なんですね。1日の摂取量の目安は、様々な文献から800㎎とされています。(表②)
★良質な油は虚血性心疾患のリスクを下げる
血管の健康を考えると油の選び方も重要です。中でもnー3系(オメガ3)多価不飽和脂肪酸がオススメです。アマニオイル、シソオイル、エゴマオイル、グリーンナッツオイル(写真①②)などがその仲間です。これらは加熱に弱いので、ドレッシングやマヨネーズ、スープやジュースに生で垂らして頂くのも良いですね。生ですとちょっと風味に特徴があるものもありますが、エゴマオイルは比較的にクセがないと思います。オイルに刻みショウガやニンニクを漬けて薬味オイルにしておくと便利に使えます。
また、イワシやアジ、サケ、マグロなどの青魚の油(DHAやEPA)もnー3系の油ですので、お刺身やカルパッチョもいいですね。この油は炎症を抑える働きや血小板凝集を予防する、血液の粘度を下げるなどの働きがあると言われ心疾患予防に効果的です。日本での研究調査でもEPAとDHAの摂取量によって5つのグループに分けて比較すると、最も多いグループの虚血性心疾患リスクは最も少ないグループのリスクよりも約40%低いことがわかりました。心疾患の中でも心筋梗塞に限った場合は、約40%〜60%も低かったという結果が出ています。心疾患予防のためには、魚も意識すると良いですね。(グラフ①)
(参考)Dr.クロワッサン「100歳まで血管がサビない109のレシピ」
次回も引き続き、血管の健康を考えた食生活を考えていきます。
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●シトルリンサラダ
スイカとメロン、キュウリを1㎝の角切りにして、ドレッシングで和えます。チーズを足すとコクが出て、黒コショウを効かせると大人の味に。
●薬味オイルを使って
【エゴマオイル+刻みショウガ】
ショウガオイルを冷奴にかけて、塩を振って頂きます。サッパリとして、驚くほど美味しいです。
【エゴマオイル+焼きニンニク】
輪切りのズッキーニを両面焼いたらチーズをのせて溶かし、オイルをかけるとニンニクの風味が引き立ちます。ニンニクは漬け込む前に、一度焼いた方が香りが柔らかくなります。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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