★血管の健康は、日本人の死因に大きく関わる
「人は血管とともに老いる」これは、今日の医学教育の基礎を築いた内科医ウイリアム・オスラー博士の言葉です。血管を意識して生活している人は少ないでしょうね。しかし、人の健康は血管に依存しているところが多いのです。都民の主要死因の割合を見てください。(グラフ①)1位は悪性新生物であるガンですが、2位は心筋梗塞や狭心症に代表される心疾患、4位は脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳血管疾患、9位は腎不全、10位は大動脈瘤及び解離と、これらすべては血管が詰まる、あるいは血管が切れる病気です。つまり、オスラー博士の言葉の通り、人間の多くは血管が原因で死ぬことが多いのです。死亡に至らなかったとしても心疾患や脳血管疾患を一度でも患ってしまうと、後遺症が残ったり介護が必要になったりする場合もあり、後の生活の質(QOL)はグッと落ちる可能性もあります。できれば避けたい疾患ですね。
★血管の役割とは?
血管は全身に張り巡らされ、あらゆる臓器を繋ぐネットワークのような役目を担っています。血管の中を流れる血液は、生きるために必要な酸素や栄養素を運ぶ重要な働きを持ち、各臓器の機能を維持しています。ですから、血管や血液の健康を保つことは健康に生きるための重要なポイントになるのです。
★血管が老化するとどうなるのか?
では、血管が老化するとどのような状態になるのでしょうか。血管は外膜、中膜、内膜で構成され(図①)、それぞれの細胞が健康な状態であれば
血管はしなやかで、収縮や拡張もスムーズに行われ、血流もよい状態が維持されます。しかし、老化が進んで血管の細胞が活性酸素で酸化したり炎症が起きたりすると、血管の壁が厚くなり、弾力性が失われ硬くなります。これが「動脈硬化」です。進行すると血管はもろくなり、詰まったり破れやすくなったりし、心筋梗塞や脳卒中など大きな病気につながります。
★血管の若さを保つには
血管壁は3層構造ですが、中でも血液と接触している「内皮細胞」が若さを保つカギを握っています。内皮細胞の働きは2つあります。
①血管壁を守るバリア機能・・・血液中の悪い成分が血管壁の内部に入るのを阻止する。
②血管の健康を促進するNO(一酸化窒素)を生み出す・・・血管拡張作用や血小板凝集抑制作用、殺菌作用、情報伝達作用など様々な作用で血管の健康を維持する。NOの働きが十分であれば血管の柔軟性を保つことができ、血流がスムーズになり血圧も下がる。
NOを増やす方法をいくつかご紹介します。その一つは有酸素運動ですが、強度は少し汗ばむ程度で1日30分以上を目安に週に3〜4回、買い物に早足で行くだけでも効果があると言われています。(表①)持久力を高く保つ事ができれば、血管の硬さの変化が少ないというデータもあります。(グラフ②)
また、手の指1本ずつ10秒を目安に回転させながら指先まで移動して引き抜く(写真①)のもおすすめです。パソコンで疲れた手指に効きそうですね。ふくらはぎを意識してかかとを上げ下げする。これは椅子に座っていても立ってやっても良いようで、冷房で冷えた足も温まりそうです。(図②)
次回は血管の健康を守るための食生活を考えてみましょう。
(参考)日経ヘルスプルミエ編「元気で長生きバイブル」
Dr.クロワッサン「100歳まで血管が錆びない109のレシピ」
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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