『フレイル(虚弱状態)の予防』②
前回は、高齢化社会においてフレイル(虚弱状態)の早期発見が、要介護状態を防ぐ重要な健康課題であるというお話をしました。今回は、フレイルの予防対策について考えていきましょう。
★必要な栄養素を摂る「食べること」が大事
フレイル(虚弱状態)は、早めに気づくことが予防の第一歩と言えます。ポイントは ①栄養+口腔ケア ② 体力 ③ 社会参加の3点です。中でもきちんと食事をして、必要な栄養素を摂る「食べる事」が主軸になります。低栄養かどうかを判断するには、詳しい血液検査も必要ですが、65歳以上の高齢者はBMI値20以下が低栄養傾向とされています。試しに、ご自分のBMI値(体重Kg÷身長m÷身長m)を計算してみてください。低栄養の予防には、毎日の食事で
●主食…ごはん・パン・麺類
●主菜…肉・魚・卵・大豆製品
●副菜…野菜・キノコ類・イモ類・海藻類・牛乳・乳製品・果物など
これらをできるだけ揃えて、いろいろな食品を食べましょう。毎食は大変ですから1日2回を目標に頑張ってみてください。
★筋肉量を増やし体力低下を防ぐならタンパク質!!
タンパク質は、筋肉量を増やし体力低下を阻止する大切な栄養素の一つ
です。ところが、高齢者の食事を見てみると、主食は食べても主菜が食べられない、食べても量が少ないのでタンパク質が不足しがちです。フレイル予防を考えるなら、【体重(Kg)× 1.0〜1.2】g は必要と言われていますので、50kgの体重の人なら50〜60g必要となります。(図1)いろいろな食品を取り入れないとなかなか目標量に達しないことがわかりますね。ただし、内臓疾患がある方は、タンパク質摂取の制限がある場合もありますので、注意が必要です。
★必須アミノ酸「ロイシン」で筋肉量アップ
タンパク質は20種類のアミノ酸が結合した化合物です。その中の一つが、筋力アップに効果的であると注目されている「ロイシン」です。ロイシンは、タンパク質の代謝、合成、分解抑制などとも関係が深く、タンパク質を効率よく働かせることに関しても重要な栄養素です。アミノ酸の中で1日の必要量が1番多いのですが、含まれている食品も多いため、あまり不足の心配はないと言われています。ですが、タンパク質が不足しがちな高齢者や筋力トレーニングをよくする人にはロイシンが豊富な食品を食べることをお勧めします。
食卓を見渡した時、ちょっとタンパク質が足りないなと感じたときに、手軽にちょい足しできる食品を紹介します。(図2・図3)
★硬い物も食べられる人は健康寿命が長い!?
「8020運動」をご存知ですか?80歳までは20本以上の歯を残そう、という1990年に開始された歯科の運動です。当初は達成している人が1割もいなかったそうですが、2017年に5割を超えたそうです。高齢になってもしっかり自分の歯で食事できるのは幸せなことですね。よく噛めなくなると次第に栄養素の摂取量が減り、特に肉などの噛み応えのある食品は苦手になります。
硬い物も食べられる人はそうでない人と比較して健康余命も長いという事もわかっています。(グラフ1)咀嚼だけでなく、音を作り出したり正確に嚥下をしたり多様な機能を持っているので、歯はとても大切です。定期的にチェックをして若い時から口腔ケアにも関心を持ってください。次回は栄養以外の予防対策を考えてみます。
◆ホタテ缶とエビのシチュー◆
タンパク質を含む食材も、缶詰めを利用すれば、煮込み料理もお手軽に♪缶詰食材は煮崩れしやすいので、形を残したい場合は最後に入れて温める程度にしてください。
◆マカロニにチーズと削り節◆
チーズや削り節は、炒め物やパスタにもコクがプラスされて美味しくいただけます。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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