「日常茶飯事」とは、日常の食事という意味から、ありふれた平凡な物事の例えに使われている言葉です。お茶はそれほど日常的な存在であるということでしょう。日本でのお茶のはじまりは、禅宗の開祖である栄西禅師が宋からお茶を持ち帰ったのがきっかけだといわれています。後に『喫茶養生記』を著し、お茶は長命を成し遂げる物であると説いています。薬のような存在だったようですね。
★お茶の製造方法でカテキンの量が変わる
お茶は、椿科の植物で「カメリア・シネンシス」という学名のお茶の木で作られます。お茶を作るのに適しているのはこの一種しかないそうです。烏龍茶も紅茶もすべて同じお茶の木から作られ、葉を発酵させるかどうかで出来るお茶の種類が異なります。
●緑茶…葉を摘んだら蒸すか炒って加熱し、酸化酵素を壊して発酵させない不発酵茶
●紅茶…葉を揉んだり刻んだりして空気と触れさせ、一定期間発酵させる強発酵茶
●烏龍茶…発酵を途中で止める。その段階によって多種類に分かれる半発酵茶
この発酵に左右されるのがお茶の成分のカテキンです。カテキンはポリフェノールの一種で、乾燥茶葉100g中に10g〜25gほど含まれています。発酵が進むとカテキン同士が合体して成分の変化が起こるため、発酵の度合いによりカテキン量は違ってきます。緑茶は発酵させないのでカテキンの損失が少なく、中でも日光によく当たる茶葉を使った煎茶に一番多く含まれます。
★カテキンの健康効果
近年、カテキン類は抗酸化作用に非常に優れていることから特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品として販売され、注目されています(グラフ①)。また、お茶のアミノ酸テアニンにはリラックス効果もあると言われ、カテキンとの相乗効果で風邪の予防や改善にも効果が期待できそうです。さらに消臭効果も確認されていて、カテキン入りの制汗剤やマウスウォッシュも市販されていますね。
その他メタボリック症候群の予防になるのではないか、血圧上昇の抑制効果があるのではないか、認知症発症予防に寄与するのではないか、など様々な研究が進められています。
★カテキンの上手な摂り方
お茶に含まれるカテキンは、90℃位のある程度高い温度の方がよく溶け出します。緑茶は一煎目で成分の大部分が溶け出してしまうため、二煎ほど出したら新しい茶葉で淹れた方がよさそうです(グラフ②)。茶葉の状態でしたらβ―カロテンやビタミンCなど優れた栄養素も含まれていますが、浸出液になるとかなり損失してしまいます。茶葉をそのまま利用できるように工夫するとよいですね(表①)。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
\#ならでわ 11月号発刊/
— 月刊ならでわ!@長崎県北・佐世保のグルメ情報誌 (@nyan_naradewa) November 1, 2024
表紙は“じげもん”グルメ★佐世保・県北のことがもっと好きになる5品が登場グルメや美容情報・年末に向けたおせち、ハウスメンテナンスなど内容盛りだくさんでお届けします #佐世保スイーツ #佐世保観光 #佐世保おでかけ
詳しくはコチラ➡️https://t.co/Gv6LGNpv6S pic.twitter.com/JpIgo4ZDNj