ビタミンDは「骨の健康」そして「筋力維持」にも関わっていることから体作りには欠かせませんが、それらに加えて近年注目を浴びている働きが「免疫」です。
免疫とは「疫(病気)」から「免れる」抵抗力
元来、私たちは自分で病気や傷を治す力を持っていて、いくつかのバリアを駆使して様々な細胞が各々の役目を果たしながらチームワークを発揮し、病気から守ってくれています。粘膜を突破して細菌やウイルスが体内に入ってくると「マクロファージ」などの免疫細胞が侵入してきた外敵を食べて破壊し、感染してしまった細胞に対しては「ナチュラルキラー細胞」が攻撃します。そしてそれらの情報を読み取り次の段階に備えて「抗体」を作るという一連の流れを持っています。
ビタミンDと免疫の関わり
ビタミンDには、食細胞であるマクロファージを活性化する働きがあると言われ、免疫力の向上が期待されます。また、外敵が侵入すると「サイトカイン」という攻撃の指令を出すたんぱく質が分泌されウイルスを破壊したり増殖を抑えたりしますが、時にバランスが崩れ過剰に分泌され正常な細胞も傷つけて破壊してしまう「サイトカインストーム」という暴走状態になってしまうことがあります。ビタミンDはこの調整をしてサイトカインストームを抑制する効果も期待されています。
また、抗炎症作用や抗菌作用も併せ持つことがわかっています。50人程の実験ですが、2008年に小中学生を3〜4ヵ月ビタミンDを摂取したグループと摂取しなかったグループに分け行われた臨床試験では、摂取しなかったグループはインフルエンザの発症リスクがおよそ2倍だったという結果が報告されています。(グラフ①)
他にも、海外の研究ではビタミンDの不足とうつ病が関連していること・通常の治療にビタミンDを補充することで効果があるということが報告されています。(グラフ②)また、欧米の高齢者に対する研究ではビタミンD欠乏症が認知症やアルツハイマー病のリスクの増加に関連しているそうです。高齢化社会に生きる日本人のビタミンD欠乏状態は大変由々しき問題ということになりますね。
その他にも様々ながんの発症リスクや高血圧や心筋梗塞などの心血管疾患の発症リスクなど多数の関連性もあるようです。
ビタミンDの摂取方法
それでは、ビタミンDはどのように摂取したらいいのでしょうか?(表①)
植物由来のビタミンD2と動物由来のビタミンD3がありますが、ビタミンD 2は植物由来と言っても穀類や野菜、果物、豆類にはほとんど含まれずキノコ類に限られます。皆さんもよく利用するしいたけには、「エルゴステロール」という紫外線に当たるとビタミンD2に変化する物質が含まれています。なので、生しいたけの場合は傘の裏を天日干しにしてから使うのが良いようです。(写真①)カビが生えないように気を付けてくださいね。キノコ類の中でも含有量が多いのは乾燥きくらげです。沢山は食べられませんが、ビタミンDのもう一つのポイントは脂溶性ですので、ごま油を垂らした中華風卵スープや炒め物などにすることもオススメです。コリコリした食感も楽しめますよ。(写真②③)秋に旬を迎えるまいたけの天ぷらも良いですね。(写真④)
ところが、きのこ類のビタミンD 2 はビタミンD3と比較すると身体に与える効力はやや劣ります。魚に含まれるビタミンD3を意識して摂りましょう。日常的には紅サケやしらす干しなどがオススメです。たっぷりキノコと一緒にバターを乗せてホイル焼きも美味しいですよ。鮭の皮の下にビタミンDが多いそうですので、ぜひ皮も一緒に食べてください。(写真⑤) 毎日こまめに意識することでかなり改善できそうです。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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