日本の湖沼で琵琶湖に次ぐ大きさの霞ケ浦は、茨城県の南東部に広がる湖です。豊富な水と肥沃な土壌に恵まれ、レンコン栽培が盛んに行われています。近年の生産量は茨城県が全国の約半分を占め、東京都中央卸売市場でのシェアは9割を超えています。(グラフ①)
★レンコンの収穫
レンコンの収穫は7月〜3月ですが、秋から冬にかけて一番美味しいと言われています。毎年、収穫時期になると水面上の茎や葉を徐々に切り倒し、レンコンの生育を止めて泥の中でゆっくりデンプンをため込ませ太らせます。(写真①)そのため、収穫時期によって味わいの違いが出るそうです。昔は鍬と鋤を使ってレンコンを掘っていましたが、近年ではジェット水流を使います。といっても蓮田の深さは50㎝ほどもあり、膝をついて手探りで泥の中から掘り当てるのは容易な事ではありません。私も一生に一度は経験したいと思い、10月に体験してきましたが、足が泥にはまって動けなくなり大変でした。(写真②③)機械掘りをしないのは「レンコンを傷つけるのを防ぐため。丁寧な作業を経て出荷されるレンコンは食べて美味しいだけでなく白く美しい。」と生産者さんは言っています。
★美味しいレンコンの選び方
・全体的にふっくらと丸みがあり、歪んでいない
・表面にツヤがあり、傷がない
・切り口が変色していない
・穴の中が黒くなっていない
・手に持った時
にずっしりと重いレンコンは収穫後、どんどん水分が抜けて乾燥してしまいますのでみずみずしいものが新鮮です。また、レンコンは白いものが良いイメージがあるかもしれませんが本来は少し黄色味がかった色をしています。不自然に白いものは漂白されているかもしれませんので注意してください。
★レンコンの栄養
他の根菜類と比較してもビタミンCがとても多いことがわかります。ビタミンCは美容に健康にオールマイティーに働きます。加熱してもレンコンにはでんぷんが多いので溶け出すのを防ぎ、損失がかなり少ないようです。鉄や食物繊維、ビタミンB6という造血作用に関係する栄養素も含まれ、貧血に悩む女性にもオススメの食材ですね。(表①)また、ポリフェノールの一種タンニンも含まれ、抗酸化作用、消炎作用、殺菌作用があり、がん予防も期待されている成分です。切った時などに糸を引くネバネバ成分は多糖類の一種で胃腸の働きを助ける効果や胃の粘膜を保護し胃炎や胃潰瘍を予防する効果もあると言われています。
★部位別で味わいが違うレンコン
レンコンの旬は長いのですが、これから冬にかけて粘りが出て甘味も増してきます。節ごとに味わいが異なりますので、調理の時の参考にしてください。
・先端(最初に膨らんだ節)…デンプンが豊富でホクホク、モチモチの食感
・中間(その後膨らんだ節)…先端と根元の中間の食感
・根元(最後に膨らんだ節)…デンプンが少なく食物繊維が豊富でシャキシャキの食感
例えば、薄切りにしてサラダやおひたしでシャキシャキ感を味わうときは根元、すりおろしてレンコン団子を作る時は先端がオススメです。皮には豊富な不溶性食物繊維も含まれるので、新鮮なものは皮つきで食べていただきたいです。年末年始に美味しいレンコンを沢山食べてくださいね。
●レンコンと豚肉のポン酢炒め
レンコンのシャキシャキ感と片栗粉で薄くコーティングされた豚肉がいいバランスです。ポン酢だけでもちょうどいい味付けに。
●レンコン餅
すりおろしたレンコンに刻んだチーズとベーコンを入れてボリューム満点に。お子さんにもパパのおつまみにも◎
●れんこん団子汁
すりおろしたレンコンの水分を少し切り、片栗粉を入れ団子にし、薄味の出汁で浮き上がるまで煮ます。大根おろしもプラスして、消化にも良い温まる一品。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
\#ならでわ 11月号発刊/
— 月刊ならでわ!@長崎県北・佐世保のグルメ情報誌 (@nyan_naradewa) November 1, 2024
表紙は“じげもん”グルメ★佐世保・県北のことがもっと好きになる5品が登場グルメや美容情報・年末に向けたおせち、ハウスメンテナンスなど内容盛りだくさんでお届けします #佐世保スイーツ #佐世保観光 #佐世保おでかけ
詳しくはコチラ➡️https://t.co/Gv6LGNpv6S pic.twitter.com/JpIgo4ZDNj