いろいろな生活習慣から、知らず知らずのうちに「冷え体質」になっていることがあります。改善するには自分の生活を細かくチェックする必要がありますが、中でも食生活は大きなポイントと言えるでしょう。
★冷え体質になりやすい食生活とは
●朝ご飯を食べない。
近年、朝食を摂らない人が増加しています。朝ご飯を抜くと、血糖値が上がらず体温も上がりにくい状態になり、血流も悪くなるため冷えを感じます。これは午前中いっぱい影響するようですね。(グラフ①)
●極端に偏食。
日頃から好き嫌いが多い。野菜はあまり食べない。インスタント食品を食べることが多い。米、パン、麺類など炭水化物が多い。という方は、タンパク質やビタミン・ミネラルが不足し、栄養バランスが崩れてしまいます。それに伴い、代謝が滞り冷え性も悪化してしまいます。また鉄分不足による貧血も起こりやすく、血中のヘモグロビン量が不足するとうまくエネルギーを燃焼できません。加えて、ヘモグロビンは血中で酸素を運ぶという重要な働きがあるので、体の隅々まで酸素を運べず手足の末梢への血液も不足し、手足を温めることも難しくなります。ヘモグロビンは主に鉄から作られますが、鉄は体内で合成されないので、食事から摂取する必要があります。
●身体を冷やす食材を沢山食べている。
食べ物にはいろいろな考え方がありますが、身体を内部から冷やす「陰性の食材」と身体を内部から温める「陽性の食材」があるという考え方があります。この食材の線引きは諸説あって難しいのですが、比較的わかりやすい考え方を紹介しますと、陰性の食材 暑いところで育ち地上に生える。水分が多く甘い、酸っぱい。夏野菜のほとんどはこの陰性に分類されます。陽性の食材 寒いところで育ち地下に生える。水分が少なく、塩辛い、苦い。根菜類や動物性食材が陽性に分類されます。(表①)
昔の人たちは、地産地消の中で食生活が成り立ち、自然にこれらをバランスよく取り入れていました。近年は季節や場所を問わず何でも一年中好きな食材を食べることができます。この便利さがかえって冷え性などを悪化させている原因の一つかもしれないとも言われています。陰性も陽性もバランスよく摂ることが大切です。
★食事で心掛けたいこと
1.身体を温めるショウガ・ネギ・ニンニクを小まめに摂る。
・ショウガには「ジンゲロール」という機能性成分が含まれ、血管を拡張させ冷えを改善してくれます。ジンゲロールの一部は加熱されると「ショウガオール」に変化し、体脂肪を燃えやすい状態にして身体を深部から温める作用もあるそうです。ショウガは加熱した方が身体を温める効果が強いようです。ショウガの粉末1gを味噌汁に入れて1日2回、8週間飲んでもらい基礎体温を測定した結果、摂取前と比較して4週目以降は有意に上昇したというデータもあります。(グラフ②)
・ネギの白い部分には「硫化アリル」という機能性成分が含まれ、血行を促し冷えや神経痛などを緩和すると言われています。発汗作用や抗菌殺菌作用もあるので風邪の予防にも効果的です。
・ニンニクにも硫化アリルが含まれ、加熱されると「スコルジニン」と呼ばれる有効成分に変化します。「スコルジニン」は毛細血管を拡張して血行を良くする、新陳代謝を活性化するなどの働きがあると言われ、ビタミンB1が豊富な豚肉や大豆と組み合わせれば、疲労回復にも効果的です。
2.血行が良くなるビタミンEを摂る。
偏食による栄養の偏りで鉄分不足を挙げましたが、鉄分が十分に
あっても血流が良くなくては手足の先まで行き渡りません。カボチャは野菜の中ではトップクラスのビタミンE含有量です。カボチャの他、アーモンドなどのナッツ類や夏が旬のモロヘイヤ、赤ピーマン、アボカド、ウナギ、オリーブオイルなども取り入れてみましょう。
3.温かいスープや味噌汁を一品加える。
暑い時期には温かいスープや味噌汁は避けたいメニューだと思いますが、炒める、煮る、焼くなど加熱することで陰陽調和ができるとも言われています。面倒でも汁物を一品加えましょう。
4.食べ過ぎない。
意外と思うかもしれませんが、食べ過ぎも冷えの要因になります。 食べ過ぎると消化のために胃腸に血液が集まり、熱を生み出している筋肉や他の器官への血液供給が減ってしまうからです。腹8分目を心がけましょう。
このように食事をするうえで注意する点がいくつかわかりましたが、前回の生活習慣の見直しとともに自分の身体を温める食生活を考えてみてください。そして、症状が重くならないうちに対処することが重要だと言えそうです。
●カボチャと煮干しのスープ
カボチャのビタミンEと、煮干しをそのままスープにすることで、鉄分やカルシウムも摂れます。
●ガーリックチャーハン
ビタミンB1豊富な豚肉は、ショウガを効かせた醤油だれに漬け込み、ニンニクのみじん切りと共に炒めてご飯を加えます。ガーリックの香りがたまらない一品です。
●大根のモロヘイヤだれ
薄味に煮込んだ大根に、モロヘイヤと海苔をだし醤油で和えトッピングします。モロヘイヤの豊富なビタミン類と海苔の豊富なミネラル類がプラスされ、淡白な大根も栄養たっぷりな一品に。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
\#ならでわ 11月号発刊/
— 月刊ならでわ!@長崎県北・佐世保のグルメ情報誌 (@nyan_naradewa) November 1, 2024
表紙は“じげもん”グルメ★佐世保・県北のことがもっと好きになる5品が登場グルメや美容情報・年末に向けたおせち、ハウスメンテナンスなど内容盛りだくさんでお届けします #佐世保スイーツ #佐世保観光 #佐世保おでかけ
詳しくはコチラ➡️https://t.co/Gv6LGNpv6S pic.twitter.com/JpIgo4ZDNj