★大麦の種類と性質
前回は全粒穀物の一つ、水溶性食物繊維が豊富に含まれている大麦をご紹介しました。日本で栽培されているのは、主に二条大麦と六条大麦です。(写真①②)これは穂の形態により、2列に実がつくものと6列に実がつくもので、二条大麦は粒が大きく、ビールや焼酎の原料として利用されます。六条大麦は小粒ですが収量が多く、麦ご飯などの食用の他に、麦茶や味噌などにも利用されます。
お米と同じで、大麦にも「もち性」と「うるち性」の性質があります。もち性(もち麦)は、炊飯時に粘性が強くなりもちもち食感に、うるち性は粘りが少なく、プチプチした食感がとても美味しいです。
★目的に応じて加工された大麦
食感や見た目を良くするため、加工が施された大麦もあります。お米と一緒に炊いても違和感がないように同じような形の「丸麦」、麦とろご飯に良く使われる「押し麦」などがあります。小麦のように製粉しなくてもそのまま食べられて、成長が早いため裏作に用いることもあるそうです。寒冷、乾燥に強い植物なので熱帯を除く世界各地で栽培されています。日本でもほぼ全国的に栽培され、主食用の大麦は自給生産されていますが、その他の用途に関してはそれぞれに適した大麦をオーストラリア、カナダ、アメリカなどからその大部分を輸入しています。
★大麦と小麦の違い
大麦と小麦は粒にしてしまうとあまり違いは判りませんが、写真③のように穂から出ているヒゲのような「禾(のぎ)」に違いが現れていて、禾が長く穂よりも上に出ているのが大麦で、短くて不揃いなのが小麦です。品種によりいろいろだそうですので一概には言えませんが、上から見て子実が対角線上に並んでいるのが大麦と言えそうです。
とても似ている大麦と小麦ですが中身の成分が大きく違います。小麦には、水を加えてねることで粘着性と弾力性を持ったタンパク質のガム状物質ができます。これを「グルテン」といい、うどんやパスタのもちっとした食感やパンのふわふわ食感を作ります。グルテンができる量や性質の強さによって、強力粉、中力粉、薄力粉に分けられそれぞれの用途も違ってきます。
★全粒小麦を使った商品
小麦は大麦ほど吸水率が良くないので、ご飯には向きません。大部分が製粉されてしまいますが、全粒小麦を使ったシリアルがありますので、探してみてください。(写真④)
小麦を蒸して粗びきにした「ブルグル」という食材もあります。全粒のものもあるようで、中東域ではこれにパセリやキュウリ、トマト、ミントなどを加えてサラダのようにして食べる「タブリ」という料理があります。簡単ですのでぜひ作ってみてください。(写真⑤)
オールブラン
小麦の外皮(ブラン)の部分もすべて使う事によって、外皮に豊富に含まれる発酵性食物繊維が善玉菌を増やし、腸内環境や便通が改善されると報告され、機能性表示食品になっています。ドライフルーツ入りやナッツ入りなど数種類あります。
Weetabix
英国王室御用達で、イギリスでは最も人気のあるシリアルとして有名です。ビスケットのような楕円形をしていて、全粒小麦を使っているのに歯触りが軽くミルクをかけてもサクサクと大変食べやすいシリアルです。輸入食品などを扱っているお店で見かけます。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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