前回に続き「骨の健康」について、今回は骨量に注目して考えていきます。
★骨を丈夫にするのはカルシウムだけじゃない!!
骨はたえず補修され作り変えられていますが、何を材料としているのでしょうか。骨を丈夫にするものというと、カルシウムを真っ先に思い浮かべると思いますが、それだけではありません。カルシウムとリンが結合したリン酸カルシウム、そしてコラーゲン(タンパク質)も必要です。(図①②)
鉄筋コンクリートのビルに例えると、鉄筋がコラーゲンでコンクリートがリン酸カルシウムになります。
骨の中の主にカルシウムとリンの量を「骨量」といい、単位面積内の骨量を「骨密度」といいます。この骨密度の検査で、若い人の平均値と比較して70%以下の人は骨粗しょう症と診断されます。前回お話ししたように、閉経後の女性は特に気をつけなければいけません。
★30歳までに骨量を増やすのがポイント♪
人間の骨量は成長するにつれて次第に高くなり、30歳あたりでピークになります。その後しばらくそのままに保たれますが、40代に入ると次第に減少していきます。近年、小学生でもダイエットをしている話を聞きますが、人生後半期の骨の健康に深く関わる可能性があるため要注意です。予防としては、骨量がグングン増える幼少期〜20代の若い時期に、十分な骨密度を確保しておくことです。(グラフ①)また、特に女性は閉経期以降の骨密度の減少を少しでも緩やかにすることも大事です。
★骨はカルシウムの貯蔵庫
カルシウムは生体内で最も多く存在するミネラルです。
体重50㎏の人 ⬇ 約1 のカルシウムが体内にあります。その99%が骨や歯に含まれており、骨はカルシウムの貯蔵庫でもあるのです。残り1%は血液や筋肉、神経などの軟組織に存在します。
カルシウムは主に小腸で吸収されますが、その吸収力は25〜30%とあまり高くありません。加えて、血液中のカルシウム濃度は一定範囲に保たれているため、不足すると骨のカルシウムを溶かしてでも補おうとするのです。幼児は骨や歯の発達が遅れ成長が悪くなる恐れがありますし、高齢者は骨粗しょう症が起こりやすくなりますので、カルシウム不足は気をつけなくてはいけません。日本人の食事摂取基準(2015年版)の推奨量と摂取量を比較してみると、全年代とも不足しています。
【カルシウムの推奨量】
1日あたり 成人男性 650〜800㎎ 成人女性 650㎎
★カルシウムの吸収を阻害する成分に注意!
カルシウムは一般的な食品に広く含まれていますが、動物性の方が植物性よりも2〜3倍吸収率がよいと言われています。(グラフ③)植物性にはカルシウムの吸収を阻害するシュウ酸(ほうれん草などに多い)や、フィチン酸(穀類や豆類に多い)などが含まれているからです。他にも加工食品や清涼飲料水などの添加物に含まれるリンやサプリメントなどで大量に食物繊維を摂る、などもカルシウムの吸収を阻害することがわかっていますので気をつけたいですね。日常的にカルシウムを摂取しやすいオススメ食品を表にしてみましたので、参考にしてください。(表①)
骨の健康には、その他にも忘れてはならない栄養素がいくつかありますので、次回はそれらをご紹介いたします。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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