私たちの体には、病原体や毒素などの異物が体内に入ってくると、それを識別して排除する生体防御反応があります。これを「免疫」と呼んでいます。この寒い時期の風邪やインフルエンザ、加えてコロナ禍の現在、この免疫機能は言うまでもなく私達を守るうえで、最も重要視される体の働きです。今回はその仕組みや働きを見てみます。
★2つの免疫システム
「免疫」とは、ある一部の働きを指すものではなく、さまざまな臓器と器官が連携て構成されるネットワークシステムです。この力を「免疫力」と呼んでいますが、人によって強さに差があります。また、この免疫には2つのシステムがあります。
1.「自然免疫」
生まれながらに備えている免疫システムで、体内に入ってきたウイルスや細菌などをいち早く最前線で攻撃します。主役的に活躍するNK細胞の他、マクロファージ、顆粒球などの細胞があります。
●NK細胞(ナチュラルキラー細胞)→体内をくまなくパトロールして、ガン細胞やウイルスに感染した細胞を見つけると攻撃して殺してくれます。ガン細胞に関しては、1日に3000〜5000個のガン細胞を殺しているそうです。情報の受け取りなどは一切せず攻撃するだけなので、生まれつきの殺し屋(ナチュラルキラー)という名前がつけられたという説があります。免疫力の要ともいえる免疫細胞です。
●マクロファージ→アメーバ状の細胞で、体内に侵入してきた病原体などの異物を発見すると、自分の中に取り込んで分解してしまいます。また、その情報を他の免疫細胞に知らせる働きもします。
2.「獲得免疫」
出生後に病原体などに接することで得られる免疫システムで、自然免疫で攻撃しきれなかったウイルスや細菌を攻撃し、その際それぞれの敵に応じた最適な攻撃法を記憶します。初めて出会う敵に対しては数日間かかりますが、過去に出会ったことがある敵に対してはすぐに攻撃し排除します。主な細胞には感染したことを知らせる樹状細胞やT細胞、B細胞などがあります。
●キラーT細胞→樹状細胞から異物の情報を受け取ると活性化して、名前の通りウイルスに感染した細胞を攻撃します。
●ヘルパーT細胞→マクロファージや樹状細胞から異物の情報を受け取り、サイトカインなどの免疫を活性化する物質を産生し、免疫を後方支援する司令塔のような役目をします。
●B細胞→骨髄に存在し、様々な情報から異物の特徴を見つけ出し、攻撃する「抗体」を作る免疫細胞です。抗体は1〜2週間かけて作られるようです。
★免疫機能は年齢とともに低下する
まだまだ他にもありますが、このように免疫細胞はそれぞれ異なる役割を果たしながら、協力し合い連携プレーをとります。しかし、残念ながら免疫機能は全般的に加齢とともに落ちてきます。つまり、年齢が進むと新しい病原体に対する抵抗力が落ちてきてしまうということです。現在のコロナ禍での高齢者に対する注意を喚起する重要性がわかりますね。中でも最前線で戦うNK細胞は健康でいるためには大切にしなければなりませんが、NK細胞は加齢だけではなく生活習慣やストレスに影響を受けやすいとも言われています。どんなことに気をつけたらよいのでしょうか?
★免疫機能を安定させるには
ストレスとなる刺激を受けると、自律神経の交感神経が強く働いてNK細胞の活性が落ちることが確認されています。交感神経(心身の活動を活発にする)と副交感神経(心身を安定させ休息させる)のバランスが良いと免疫機能も安定します。そのためには
●睡眠をしっかりとる(グラフ①) ●適度な軽い運動をする(グラフ②)
●副交感神経の働きを優位にしてくれる「笑い」(グラフ③)などをご自分の生活の中に取り入れてみましょう。
次回は免疫力アップの食生活を探ってみます。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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