★海藻と海草の違い
「海そう」という言葉を聞くと、「海藻」と「海草」が頭に浮かびます。私達が食べている昆布やワカメはどちらを書くのでしょうか。「海藻」とは海中に生える藻類を指し、胞子によって子孫を増やします。根っこのような部分は付着器と呼ばれ、養分を得るためではなく固定するためのものです。昆布やわかめは「海藻」の仲間です。(図1)「海草」は他の植物と同様に根で栄養を吸収し種子で増えます。
★海藻は和食文化の要
日本人は他国と比べて海藻をよく食べる民族です。例えば和食文化の要である出汁に昆布が使われていたり、ワカメ、モズク、ヒジキ、ノリなど多種多様な方法で料理に使用されていたりします。万葉集の歌の中にも登場しており、平安時代には昆布は租税の対象にもなるほど、身近で大切にされてきた食材です。また、驚くべきことに日本人の腸には海藻を食べる文化で育まれた、海藻を消化する腸内細菌が棲みついていることもわかっています。子どもたちのためにも和食文化の伝統と共に海藻の摂取も忘れてはいけませんね。
★昆布とワカメの健康効果
昆布の収穫量第1位は北海道で、第2位岩手県の3倍以上の量を誇ります。代表的な種類は、
●出汁や佃煮に使われる真昆布
●京都の千枚漬けや昆布茶に使われる利尻昆布
●火の通りが早いので昆布巻きやおでんに使われる日高昆布
●高級出汁がとれることでギフトにもなる羅臼昆布 などがあります。
栄養成分を見るとカリウムやカルシウム、ヨウ素などミネラルの含有量が多いようです。ヨウ素
は甲状腺ホルモンを作る材料で、基礎代謝を上げ、成長期のお子さんには成長を促す大切な働きを
持っています。しかし、甲状腺異常の疾病がある場合の摂取、または過剰摂取には注意が必要です。他にも、食物繊維の中でも特に健康効果のある水溶性食物繊維のフコイダンやアルギン酸が
たっぷり含まれています。どちらもネバネバした粘性成分ですが、中でもアルギン酸は糖質や脂質、コレステロールの吸収を抑えたり、お腹の調子を整えたりなどの機能があり、特定保健用食品
(トクホ)になっています。ワカメは、主に東北地方の収穫量が多く全国の約7
0%を占めます。昆布と同様に乾燥品もありますが、塩蔵品もありますね。しかし、今の時期は生わかめが旬ですので見かけたら、肉厚でつるつるの食感ときれいなツヤを活かして一品作ってみてください。栄養成分などは昆布と大した違いはないようです。海藻類を摂取することは推奨されていますが、その効果を示す疫学的データは少ないのが現状です。被験者は少ない研究ですがワカメの健康効果は確かにあるようです。ワカメを摂取すると食後の血糖値やインスリン、中性脂肪やコレステロールの上昇も抑えられています。
海藻は忘れがちになる食材の一つですが、健康のためにもお忘れなく。実は、海に面して多数の湾を持つ長崎県は、昆布もワカメも全国第5位の収穫量です。新鮮な海藻をたくさん食べてくださいね。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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