~カカオがチョコレートになるまで~
★カカオは滋養強壮の飲み物だった!
チョコレートやココアの原料であるカカオは、学名で「テオブロマ・カカオ」と呼ばれていて、ギリシャ語で「神々の食べ物」を意味します。紀元前より貴族や戦士たちがカカオ豆をすり潰して作る「ショコラテ」という滋養強壮の飲み物に利用されていたそうです。非常に高価な飲み物で「1杯のショコラテで兵士は1日の行進に耐える」と評されるほどだったとか。今のショコラテとは違い、甘みがなくスパイスなどを入れて飲んでいたようです。
★チョコレートの歴史
カカオは15〜17世紀の大航海時代を経て、18世紀頃南米などからヨーロッパに渡り、その後世界中でチョコレートなどの食品になったと言われています。チョコレートとしての歴史はまだ浅いことがわかりますね。日本には、江戸時代に長崎の出島から入ってきた記録が残されていますが、国内販売は1900年近くになってからのようです。
現在、欧米各国のチョコレートの消費量は1人当たり年間10㎏以上ですが、日本人も年間2㎏を消費するようになってきました。国内の菓子の販売価格においては2014年から和生菓子を抜いてトップの売り上げだそうです。
★カカオがチョコレートになるまで
チョコレートが、カカオ豆からできているのは何となくご存知だと思いますが、どうやってチョコレートになるかは知らない方も多いと思います。その製造工程を簡単に紹介します。
①カカオの実からカカオ豆を取り出す
カカオの実はカカオポッドと呼ばれ、ラグビーボールのような形をしています。ビッシリとぶら下がるように実り、熟すにつれて緑色→黄色→赤褐色に変わり、表面もザラザラとしてきます。カカオポッドの中には、白い膜に覆われたカカオ豆が20〜40個入っていて、発酵させると白い膜が剥がれます。その後乾燥させて発酵を止め、水分を6%以下まで低下させます。これでようやくチョコレートやココアの原料として輸出できる段階になります。
②カカオ豆を焙煎する
ゴミや不純物を取り除き、豆を選別して焙煎します。焙煎することでカカオ豆が持つ香味や旨味を引き出すことができます。ここがメーカーや専門店の腕の見せ所となるのです。なんだかコーヒーと似ていますね。
③カカオ豆を粉砕・ペースト状にし、固める
焙煎したカカオ豆を粉砕し、殻を取り除いたものがカカオニブです。
このカカオニブを数種類ブレンドしたもの、または単独のものをすり潰すとカカオバターという脂肪分が溶け出して液状化します。ねっとり感が出て、ペースト状になったら冷却して固めます。これをカカオマスと呼んでいます。
④甘みを加えるとチョコレートに!
カカオマスに砂糖やミルク、カカオバターを追加して、テンパリングという脂肪分を安定させる作業を行い、チョコレートになるのです。
これが一般的な作り方のようです。このように何工程も経て、美味しいチョコレートになるのですね。ココアの場合は、カカオニブから脂肪分を取り除き粉末にします。ホワイトチョコレートは、カカオマスを使わずカカオバターだけを使います。次回はカカオの力を探ってみましょう。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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