みなさんは、動物性のバターと植物性のマーガリンでは、どちらが体にいいと思いますか?最近、スーパーであまりマーガリンを見なくなったと感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。今回は、マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸についてのお話です。
★トランス脂肪酸の歴史
1900年代初め、ドイツの学者が液体の植物油に水素を添加して固形の油にする方法を発見し、マーガリンやショートニングが誕生しました。このときに副産物として生まれたのがトランス脂肪酸です。1960年代、バターなどの飽和脂肪酸の害が発覚し、マーガリンやショートニングの方がヘルシーな油として人気が出ました。扱いやすく安価で食味もよく、商品も長持ちするという事でクッキーやビスケット、ドーナツなどに幅広く利用されました。しかし、1990年代、アメリカの学者たちがトランス脂肪酸を摂取すると、悪玉コレステロールが増え、善玉コレステロールが減り、心疾患に大きな影響を与えると指摘しました。
★米国ではトランス脂肪酸が原則使用禁止に!?
2000年代、アメリカのお菓子メーカーやハンバーガーの大手会社が訴訟を起こされ、2006年には米国で食品の栄養成分表示にトランス脂肪酸量の記載が義務付けられました。同時に、都市ごとで独自に規制を行い、トランス脂肪酸の使用を段階的に禁止することを決定しました。米食品医薬品局(FDA)では、その後も様々な調査を進め、2018年6月以降は原則使用禁止と発表しています。
★日本ではトランス脂肪酸の表示義務なし
2010年の報告によると1日当たりのトランス脂肪酸摂取量は女性も男性も1.7gで、摂取エネルギーの0.7〜0.8%程です。WHOが定める基準「1日当たりの摂取エネルギー量の1%未満」であるという理由からトランス脂肪酸量の表示は義務付けられていません。ただし、女性の24.4%、男性の5.7%はWHOの基準以上を摂取しており、その原因はお菓子類の多量摂取であると考えられています。食品安全委員会の評価書でもフライドポテトやお菓子類を多く食べる人や脂質に偏った食事をしている人は、注意しなくてはならないとしています。全体的に見れば大丈夫でも、摂取量には個人差があるため、一人一人が気をつける必要がありますね。
★日本でのトランス脂肪酸低減への取組み
日本でも10年近く前からメーカーや外食産業がトランス脂肪酸を減らす取り組みを始めています。その結果、油脂を原材料とする加工食品を調査すると、取り組み前に比べトランス脂肪酸の含有量は低くなっていることが確認されています。日本ではあまり大きな問題にはなりませんでしたが、世界的に使用規制されているトランス脂肪酸の危険度を認識し、過剰摂取には気をつけていきたいですね。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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