最近、青果売り場でよく見かけるようになったパクチー。昨年末には、飲食店などの情報を提供するウェブサイトの「今年の一皿」にパクチー料理が選ばれました。かつてはエスニック料理の「単なる薬味」としての位置づけでしたが、近年のエスニック料理ブームに伴い、特に若い女性の間で大人気になりました。今では、パクチー料理の専門店があったり、パクチーを好んで食べる人のことを指す「パクチスト」という言葉があったりするほどです。
パクチーは実はタイ語の呼び名で、中国では香菜(シャンツァイ)、英語ではコリアンダー、和名ではポルトガル語が由来でコエンドロと呼ばれています。歴史は古く、紀元前のエジプトの書物や古代ギリシャの医学書にも登場し、医薬品としての役目もあったようです。日本では平安時代の書籍に記載があるそうですが、おそらく独特な香りのために広まらなかったのでしょう。しかし、色々な国に浸透しているのを見ると、世界でも多く利用されているハーブ・スパイスの一つと言えそうですね。
香草としてエスニック料理には欠かせない存在ですが、葉や茎には特徴的な強い香りがあり、好みは大きく分かれます。香りを生かして肉や魚の臭み消しに、スープの浮き身やお粥・麺類の上、生春巻きにも入りますね。調味料ではナンプラーやレモン汁、ゴマ油、チリソース、黒コショウなどと相性がいいです。最近は根付きでも売られており、から揚げにして黒コショウを振ると簡単なおつまみにもなります。種子もスパイスとしてカレー粉の主要な原料になり、ピクルスやマリネにも重宝します。
同じように薬味で使われるアサツキと栄養価を比較してみると、パクチーの方がβ―カロテンやカルシウム、マグネシウムなどのミネラル、またビタミンCにも富んでいます。香りの成分は、ゲラニオールやリナロールなどが挙げられ、ともに消化管の働きを促す作用があり、食欲増進に
有効であると言われています。また、強い抗菌作用もあるため、東南アジア地方で頻繁に食べられているということは、食中毒の予防の役目を担っているのかもしれません。最近の養殖ニジマスの研究では、重金属を体外に排出する作用があることが分かり、その他にも根を除いて冷凍乾燥した粉末状の物は、大豆の約10倍の抗酸化能があることも分かりました。しかし、一度に沢山は食べられないかもしれませんね。パクチーの旬は夏ですが、栽培技術により今は通年出回ります。薬味の一員にいかがでしょうか?
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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