前回は、腸内環境を整える「腸内フローラ」についてお話しましたが、腸内環境が悪くなる要因は沢山あります。暴飲暴食を始めとして、運動不足や極端なダイエット、薬の服用や老化など難しい問題もありますが、前回の「腸内環境チェック」の中のいくつかは、ストレスに関係するものもありました。
厚生労働省が5年ごとに行っている、労働者を対象としたアンケート調査では、約60%の人が何らかの不安やストレスを感じていることが分かりました。それも若い世代の人ほど毎日のように感じています(グラフ①参照)。「ストレス」といっても様々で、暑さ寒さなどの物理的なもの、細菌やカビ、ウイルスなどの生物学的なもの、心理的な悩みや人間関係の葛藤などの心理社会的なものなどがありますが、全てのストレスが一概に悪いとは言えません。ストレス学説で有名なハンス・セリエ博士は「ストレスは人生のスパイスである。」と言っています。たしかに、前向きな人生を送るためには多少のストレスが必要ではありますが、不快で長期間に及ぶストレスは腸に悪影響を与えるようです。
1970年代のNASAの宇宙飛行士の実験では、飛行訓練などである程度の期間ストレス状態におかれると、腸内の悪玉菌が増加して善玉菌が減少していたという結果が報告されています。ロシアの宇宙飛行士でも同じような結果でした。また、10〜40歳代の男性に多い病気である過敏性腸症候群は、現代のストレス社会を反映したストレスが原因の典型的な心身症とされてきました。しかしながら近年、腸内細菌が関係していることが分かってきました。まだ、特定の菌はつきとめられていませんが、ストレスで腸内細菌叢が変化するというのです。驚きですね。実は、脳と腸は自律神経やホルモンを介して密接なやり取りをし、繋がっているのです。これを「脳腸関係」といい、様々な役割を担っています。例えば、幸せ物質と呼ばれるドーパミンやセロトニンは脳に存在しますが、そのもとになる物質は腸で作られています。腸内環境が悪くなり、これらの物質が上手く作られなくなると精神疾患にも影響してくるのです。『断腸の思い、腹を決める、腹に据えかねる、腹を割って話す』など、「腹」に関する言葉が沢山あります。心のバランスも腸のバランスに関係しているようですのでストレス対策は重要ですね。
次回は食の面から見ていきましょう。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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— 月刊ならでわ!@長崎県北・佐世保のグルメ情報誌 (@nyan_naradewa) December 27, 2024
甘い世界が広がる『チョコレート』特集の表紙が目印諏訪神社周辺へのちょびっと旅はじめお出掛けやグルメ情報などたっぷりお届け!新年もどうぞよろしくお願い申し上げます
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