以前愛媛県の中晩柑をご紹介しましたが、今回は同じ四国でも高知県の特産品の文旦(ブンタン)のお話をします。私が小さい頃はザボンという名前で出ていて、酸味が強いので果肉を食べず、祖母が果皮を甘く煮て「喉の薬」と言って食べていたのを思い出します。しかしながら、近頃、改めて食べるとその美味しさには驚きます。ブンタンは柑橘の中では一番大きい部類です。歴史も古く、日本には江戸時代頃、中国か台湾辺りから伝わったと言われています。交雑や突然変異によって東南アジアからアメリカ、地中海沿岸まで様々な国で多くの品種を出しています。グレープフルーツや夏ミカン、ハッサクは代表的なものです。
「土佐文旦」は昭和の初め頃に高知県に導入され、通常は露地栽培で育成されます。収穫は年末にされますが、酸味が強いため数ヵ月貯蔵して2月から4月頃に出荷します。重さは
400g前後もあり表皮は黄色くツヤツヤで、剥くにはちょっと力が要ります。最初にヘタの部分を少し切り落とすと手でも剥き易くなります。写真でもわかるように種が多いのが難点ではありますが、食べるとやみつきになりますよ。果肉の部分を「さじょう」というのですが、その粒がしっかりしているので、膜も手できれいに剥けます。
栄養価としては、ビタミンCや葉酸、β―カロテン、カリウムなどが高く、グレープフルーツにも負けていません。舌がヒリヒリする苦み成分のナリンギンや香り成分のリモネンなど機能性成分も数多く、旬の時期には積極的に食べてほしい果物です。ブンタンを購入する際は、表面がなめらかでハリがある物を選んでください。冷蔵庫に入れる必要はありませんが、表皮からの水分蒸発が速いので、できるだけ空気に触れないようにしましょう。
フルーツとしてそのまま食べるとブンタンの美味しさが一番伝わりますが、クセがないので料理にも使えます。ツブツブがしっかりしているので、和え物にも向いています。酸味の代わりに、サラダのトッピングとして利用することもできますね。今、果皮でピール作りに挑戦中です。手間はかかりますが、これまた美味しいですよ。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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