前回に引き続き、認知症の予防に効果的だと考えられている5つの生活習慣のうち、③「食べ過ぎに気を付けバランスのとれた食事をする」、④「ストレスをためない」について考えます。
③…認知症予防を目的とした栄養疫学的研究は、ここ数年急増しています。海外でも相当数の成果が発表され、中でも地中海食が認知機能低下を予防するという結果が多く、野菜や果物、魚介類、オリーブ油、そして赤ワインに象徴されます。日本でも乳類、豆類、野菜類、海藻類を多く摂取すると認知症発症リスクが低かったという報告がありますが、残念ながらまだ詳しいエビデンスはありません。しかし、共通する野菜類などを考えるとビタミン類は外せないようです。脳の構成成分は60%が脂質といわれていますので、ビタミンの中でも脂質の酸化防止に役立つビタミンEは特に欠かせません。一緒にビタミンCも摂ると効果倍増です。
また、植物性の食材に含まれるポリフェノール類は、マウスの実験でカレーの黄色い色素「クルクミン」がアミロイドβの凝集を防ぐ結果となり、現にインドのアルツハイマー発症頻度はアメリカの4分の1との報告もあるそうです。他にも、お茶のカテキンや赤ワインのレスベラトロールなども注目されています。
最近の研究では、副菜が少ない穀類中心の食事をしていると、認知機能低下のリスクが高まる傾向があるということがわかってきました。青魚に含まれるDHAは脳を構成する主な脂肪酸の一つで、食事からのDHA摂取も認知症予防に効果があると言われています。認知症発症の原因の1つ「アミロイドβ」ができると、処理するために免疫細胞が働きますが、同時に正常な神経細胞も壊してしまい、炎症を起こします。DHAはその修復をしてくれることがわかったのです。1日の必要量は、サンマ1尾、マグロのトロ2切れですから無理なく摂れそうですね。
④…ストレスをためずに生きていくのは苦難の技ですね。自分で解消する機会をなるべく多く作ってください。様々な場で楽しく会話するのもいいものですが、静かに好きな音楽を聴いたり、ゆったりお風呂の時間を楽しんだり、アルコールも適量なら効果があるようです。不眠や睡眠不足が、生活習慣病をはじめ、うつ病にまで影響することはご存知の方も多いかと思いますが、認知症とも深い関連があるようです。動物実験ですが、なんと睡眠時に「アミロイドβ」の排泄が高まるという報告があるのです。おそらく人間でも睡眠時間を確保することで同じことがいえるのでは、と考えられています。
よい睡眠は、認知症の原因を発症する前に食い止めてくれる、という事になりますね。早速今夜から「朝まで熟睡!」を目指しましょう。
認知症に効果的な成分を含む料理
1.サバカレー
DHA豊富なサバ缶とクルクミンのカレー。サバと合うトマト缶でソースに酸味をプラス。
2.大学芋
蒸したサツマイモをサフラワー油で炒めアーモンドをからめて甘味を加え、柚子の皮を添えて、ビタミンEたっぷりのおやつに。
文/野菜ソムリエ上級プロ 福田ひろみさん(東京在住)
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